作業療法部門
作業療法(OT:Occupational Therapy)とは
作業療法とは、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助のことです(日本作業療法士協会より,2018)。
作業療法士は、生活しやすくするためのモノをつくったり、生活しやすいコトをみつけたり、そして、その人らしい生活をするためにヒトを繋げたりと、作業を通して生活を支援するための診療を行っています。
当院の作業療法は、「その人らしい日常の生活」の回復を促すことを目的に取り組んでいます。そのために、食事や更衣、トイレ、入浴等の何気なく行っている日常の生活が行いやすくなるように動作練習などを行います。
また、身の回りの動作だけでなく、家事や交通機関の利用など生活に関連する様々な動作、さらには仕事の復帰を目指した動作練習なども行うことがあります。ご自宅への退院に向けて、あるいは療養先の生活に向けて、日常の生活環境(福祉用具、福祉機器など)の整備も行いながら、その方の生活に応じた環境の調整も行っています。
当院における作業療法対象者は、脳梗塞や脳出血、脊椎疾患や手外、神経難病やがんなど、様々なご病気の方を対象に行っております。患者さんを中心としたチーム医療として、各作業療法士がジェネラリストを意識しつつ、高い専門性を発揮できるよう、毎年、様々な研修会や学会に参加し、知識や技術の研鑽に励んでいます。
また、地域包括ケアシステムにおける地域の中での活動にも積極的に参加するよう努めており、急性期病院での作業療法の経験を活かしつつ、地域貢献にも力を入れております。
私たちは一人一人の当事者と一緒に、丁寧な作業療法を心がけ、日々臨床(診療)に取り組んでいます。日常の生活について、お困り事がございましたら、お気軽にご相談ください。
自助具
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自助具とは、日常の生活動作がより便利に、より容易に自分で行えるように工夫された道具です。
当院では、ひとりひとりに適した自助具を選定するだけでなく、手作りで制作することで、よりよい生活が送れるように支援しています。
車椅子関連機器
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当院では対象者に合わせて適切なシーティングが行えるよう各種車いすや多くのクッションを揃えています。
また、座圧分布測定器を用いて、より客観的な指標で車いすシーティングや患者教育なども行っています。急性期から快適な座位姿勢を提供できるよう取り組んでいます。
日常生活関連機器
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退院後の生活に近い環境を設定し、その人らしい生活ができることを支援します。例えば、浴槽への出入りや立ち座りの評価・練習、最適な手すりの位置のシミュレーションや福祉用具の選定・アドバイスなどの環境調整を行います。
また、退院後に家事を行う必要がある場合は、実際に調理やキッチンでの動き方の練習、安全な動作方法の指導、役に立つ道具の紹介なども行います。
コミュニケーション関連機器
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当院では神経難病を中心とした重度障害者を対象に、コミュニケーション支援を行っています。
音声や文字にて意思を表出することが困難となった場合、様々な機器を用いて意思を伝える方法を紹介し、習得して頂くための練習などを行っています。
上肢治療・装具関連機器
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腕の重さを限りなく軽くし、わずかな力でも自身の腕を動かすことができるようになる装具です。治療として用いるだけでなく、自宅や病室などに手軽に設置でき、食事や化粧のみではなく、タブレット操作や絵画など、幅広く活用することができます。
高次脳機能評価関連
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急性期という変わりやすい状況の中でも、高次脳機能障害をより正確に把握できるよう、各種評価ツールを揃えています。
また、従来の訓練法だけでなくPCを用いた全般的な訓練も実施しております。