リハビリテーション科専門医3名、研修医3名(うち1名は回復期病院で研修中)、理学療法士18名、作業療法士8名、言語聴覚士3名、専任看護師2名(心不全、摂食嚥下の認定看護師)、専門事務職員2名、医療クラーク1名で診療にあたっています。2018年度は新規患者数が3,400名を越えています。

2014年4月からは時間外アスレティック・リハビリテーション外来を設け、競技復帰を目指す学生やプロスポーツ選手の診療を始め、同年7月からはICU、HCU、MCUでの土曜診療を開始しました。2016年からはICUに理学療法士が常駐し、平均在院日数の短縮が図られています。現在、院内の多職種チーム(心不全チーム、糖尿病チーム、褥瘡対策チーム、栄養サポートチームなど)にも参画しています。

業務内容は多岐にわたり仕事量も増加していますが、毎年行われる職場満足度調査では、リハビリテーション部職員の評価は高く、活気のある職場となっています。

 

診療の特徴

診療の特徴

本院小児科は希少疾患のセンターとなっているため,長期にわたりリハビリテーションを実施している患者さんが多く、貴重な経験を蓄積しています。

また整形外科とともにアスレチック・リハビリテーションに取り組んでいます。学生やプロスポーツ選手を中心に特殊外来(17時以降)を行いスポーツ復帰に成果をあげています。 全国の大学病院で初めて設置された高度外傷センターにはヘリコプターでの患者搬送も多く,急性期からのリハビリテーション医療に取り組んでいます。

多様性のある診療の中から、若い先生方には専門性を深めていって頂きたいと考えています。

 

全診療科との連携

全診療科との連携

全診療科から紹介をいただいているため、可能な限りカンファレンスに参加しています。循環器内科では心肺運動負荷試験(CPX検査)や経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)の術前・術後評価にも取り組み、総合ハートセンターの運営に積極的に参加しています。

骨粗鬆症リエゾンチームでは中心的な存在として活動しており、骨粗鬆症治療薬の処方率改善、二次骨折予防に効果をあげています。

脳神経外科とは髄腔内バクロフェン投与(ITB)療法 や覚醒下手術のマッピングにおいて協同して取り組んでいます。

消化器外科とは食道がん術前の集中リハビリテーションを行い良好な成績をあげており,各診療科との協力関係が構築され,活発なチーム医療を展開しています。

 

地域連携への取り組み

急性期→回復期→生活期(介護保険)→急性期(医療)と患者さんが医療機関を循環する際、日常生活動作(ADL)の評価に機能的自立度評価表(FIM)は欠かせません。

特に生活期における病前ADL が重要であり、急性期病院でのリハビリテーション・ゴール設定に必須であるため、出雲リハケアネット(代表:副診療科長・酒井康生医師)を主体に、出雲市の在宅医療介護連携推進の一環として、ケアマネジャーをはじめとするリハビリテーション関連職種の講習会を実施しています。

 

災害リハビリテーションへの取り組み

災害リハビリテーションへの取り組み 災害リハビリテーションへの取り組み

大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会(JRAT)の活動への参加を行うために、2018年12月に島根JRATを発足させました(島根リハビリテーション協会の傘下に島根県PT協会、OT協会、ST協会、島根県看護協会と協同)。  

活動実績としては、熊本地震後に被災地に入り避難所での支援を行いました(2016年5月)。

今後は島根県が被災地となった場合の支援の受け入れ体制を整備していく必要があり、準備を進めているところです。

 

診療科のあゆみ

診療科のあゆみ

1979年(昭和54年)12月に理学療法部が設置され、2002年(平成14年)4月にはリハビリテーション部に組織改編されました。その際、作業療法、言語聴覚療法部門が新設され、現在の基礎が形成されました。2015年(平成27年)4月からはリハビリテーション科を標榜し、院内だけでなく地域に開けたリハビリテーション医療を推進しています。

2017年(平成29年)9月にはリハビリテーション医学講座が設置され、専門医の育成に取り組んでいます。

 

研究内容

主たる研究は下記の通りです。

  1. 医療・福祉・教育への情報技術の実践的な活用
    ・エルゴメーターによる心肺負荷試験とICT   
    ・ICTを活用した健康増進  
  2. 神経難病患者・家族がより質の高い療養生活を送るための影響因子の解明
  3. 運動器疾患の保存療法   
    変形性股関節症に対するジグリングの保存療法としての効果(多施設研究)
  4. 痙縮治療   
    ボツリヌス療法と集中リハビリテーションの併用
  5. 食道がん術前の集中リハビリテーションの効果

大学院生(博士課程、修士課程)の中には基礎医学の研究室でより専門的な研究を行っているものもいます。研究テーマは自由ですが、臨床に還元できるテーマを選択し講座をあげて研究に協力しています。